<< 善光寺ライブ、第2弾終わる! | main | エールの色即是空 >>

「エール」というバンド

 昨日も月1回のセッションがあり、楽しく音楽してきました。ちょっと即興も交えてみたり、でもやっぱり、これぞ「エール」って感じの「インザムード」で盛り上がったり・・・・。

 エールはここ1〜2年でしょうか、たくさんのライブステージにのってきました。小学校の体育館で大勢の子どもを前にしたり、プロのコンサートで使われる本格的なホールで照明を浴びたり、また、お馴染みライブスペース勢の!やお寺の本堂でもやらせてもらってきました。
 
 その都度、一人一人が確実にパワーアップしてきてるのを感じるのは僕だけじゃなないと思います。僕とピアノの安田さんは、ステージに乗る前に一所懸命考えます。どうやって並ぶか、どんな曲順と段取りでやるか、・・・。エールはどんな所でも素晴らしいんだけど、それがスムーズに伝わって欲しい、そのためにできる工夫はしておこうというわけです。

 身内をほめて盛り上がるのは決して品の良いことではありません。
 
 でもいつでも、やるたびにエールのメンバーは僕の予想を超えていかんなく自分を発揮してきて、心の底からすごいなあ、と敬意をもって見ています。

 何がすごいか、と言えば、誰に言われたのでもなく、自分でやろうと思うことをきっぱりとやってくるその集中力、そのもとになっている「やるぞ!」という覚悟です。彼らはお調子者で、調子に乗ってやっているというのではなく、お客さんに向かっている、というのがありありです。それも音楽ですから、自分のノリを探り、確かめながら、仲間を聞いて、刺激され、ここぞとなればフルオープンなのです。そのプロセスが音楽なんです。

 その彼らがこんなにかっこいいのは、安田さんの持ち込んだ曲と演奏の骨格となるピアノの素晴らしさ、僕が持ち込んだかんたんギター、でも何よりこんなにものびのびとできるメンバーひとりひとりを育んできた親御さんやその仲間、土地柄、すべてが凝縮して、あのエネルギッシュで、品良いパフォーマンスが生まれたことを、僕は確信しています。

 先日の善光寺ライブでは、安田さんの古くからの友人も駆けつけてくれました。「感動で涙が出た」というような言葉もいただいたそうですし、それはまた安田さんが良い仕事をしていることへの賛辞を交えた声援でしょう。

 ギターを弾いたり、太鼓を叩いたり、踊ってみせたり、もっとうまくできる人は、数えきれないくらい、まあ普通にたくさんおられることは間違いありません。でも人前に立って、堂々自分を思いっきり表現するなんてことは、そうそうできることではありません。


 もう20年くらい前になってしまいますが、スウェーデンからEKOという障がいのあるメンバーを軸に据えたバンドが来日して、日本中で大きな反響もありました。リードボーカルのニッセという男性は、プラダウィリー症候群という病気で、食べなくても歩くのも困難なほど太ってくる、ホルモンバランスも悪く成長のアンバランスが起きている人でした。おとななのに声変わりを感じさせない魅力的な歌声でした。
 EKOのライブを見たフォークシンガーの小室等さんはこのニッセの歌を聞いて「本物」、つまり誰かの真似じゃない、自分自身だということで、大変評価をしていました。

 例えば、僕だったら自分が歌う時にその小室さんをまねようとしたり、できもしないのにカッコイイフレーズを弾いてみようとしたりするわけです。失敗も分かるからびびったりもします。
 そんな僕がこれまで堂々ステージでへたくそなギターを弾いてこれたのは、いつもいろんな仲間があって、彼らの存在が僕を引き出してくれてからです。もちろん僕も彼らを支えて必死です。エールでも同じことが起こってます。

 エールメンバーは僕のように自分の気持ちを言葉で表すことはしません。ですが、こうやろうとか、失敗した、とかいろんな気持ちは同じだと思います。それでもステージに立てば、余計な思いは全部切り捨てて「思いっ切り」自分を出してきます。お客さんはそれをストレートに受け止めて、感動してくださっているのだと思います。

 そうそう、EKOのオリジナルのレパートリーに「僕は値打ちがある」という歌がありました。この歌を会場全員で歌いながら、障がいにばかり目がいって本人の値打ちに気づこうとしない世間があることに、一瞬はっとさせられるような感じもしました。20年も前のことです。今は一人一人の値打ちは当たり前に認められる、認めようという空気が拡がっています。うれしいことです。
 きっと、エールのステージもそんな空気を一層確かなものにしていくのでしょう。

                            吉田豊

at 15:34, エール, エールメンバー

comments(0), -, - -

comment